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東京在住 アラサー社会人の備忘録です。

派遣労働の闇

 毎日新聞では大晦日なのに「縦並び社会 第1部 格差の現場から2 派遣労働の闇」という記事が載っている。潜入ルポの形式で記者が派遣労働を体験したところから記事が始まる。
 学生にとって日雇いバイトというのは非常に都合の良い、便利な労働形式である。同じ仕事に縛られないし、暇な日だけ働けばいい。周りが週5で働いてるから休みにくいなって事もない。しかも給料が当日や翌日振り込まれたりする。会社側にとっても無駄な労働力を抱えずに効率の良い経営ができるという点で利点は多いのだけど、このご都合主義のお陰で大きな影が映し出されている事は色々な所で聞いた事があるかもしれない。

同社は未上場。急増する売り上げは05年3月期で5387億円に上る。今年3月時点で抱える労働者と社員は13万人を越え、ホンダやNECの各グループに匹敵する。オーナーが子会社の社長会で経営姿勢を40項目にまとめた資料を配った。中にはこんな記載がある。「業界ナンバー1になるには違法行為が許される」

 これは「派遣・請負 業界最大手」のとある会社(紙面には会社とオーナーの実名は載っている)に関しての部分であるが、この会社は規模がとてつもなくでかい。以前派遣業界についてのレポートを書いた事があるのだけど、その時に読んだ文献でもでもやはり最大手の会社として例に挙げられ、どうして取り締まりの手がおよばないのかを解説していた。2chでもこの会社の名前はよく見るかも。

 近頃は社会貢献だとか、恩返しだとか、社風にそんなような事を書いてある会社が多くなっているように思うけど、どこがだと私は思う。大企業になればなるほど安い賃金で都合良く使える派遣労働者を多用し、労働基盤を危うくしている。次の世代が育たないような、人件費の削減ばかりを追いかけているような、下心丸見えのうわべだけの社会貢献なんてお呼びではない。しかし現に力を持っているのは大企業やIT系企業な訳で、このままではヤバいんじゃないの。

とまあそんな訳で、来年は大晦日にこんな記事を読んで将来を憂う必要のない年になったら良いですね。この毎日新聞のシリーズはとても良い記事なので、誤解のないように。みなさま、よいお年をお迎え下さい。