食べ物とか旅行とか

東京在住 アラサー社会人の備忘録です。

僕のなかの壊れていない部分

 確か昔読んだ事ある本。でも覚えてないのと、この作家の名前を聞いたことがあるので(って読んだ事あるならそりゃ聞いた事あるけど)、また買ってしまった。最近思うが、本が読まれなくなったとは言うものの、電車で文庫本を読んでいる人は結構多いし、ターミナル駅の本屋はレジが行列になっていてうんざりしたりもする。特に横浜ジョイナスの中にある本屋の19時頃とか。こないだなんて10人以上並んでたけど。


 主人公は29歳で、結婚を迫られたり、全然関係ない人と付き合っていたり、ある意味アクティブな29歳。実際の29歳でこんなにいろんな事をこなせる人はいるのだろうか。会社の29歳ってぼよーんといったイメージ。しかし、非常に理屈っぽい。なんでそんなにうがった味方をするのかなーと思うが、そう思いながらも周りの人間で彼を嫌う人は不思議とあまりいないようだ。彼のうがり具合は、何かを恐れている感じ。こどもの頃に人の見ている前で何かはじめての事に挑戦しなくちゃいけないような時に、理論武装してやらないで済ませようにするとか、失敗してもしょうがないよね、みたいな言い訳じみたことを言うとか、全ての事においてそんな姿勢を感じる。たぶん、小さい頃から大きな失敗をしていないから、負ける勝負はしないってことかなー。かみきれない奴め。と思っていたが最後の30Pくらいで雰囲気が急変。その変わりようがドラマティックであった。聞いてみればこの人も早大出身。一文って名前だけに…とか思ったが、政経だそうで。そのあと週刊誌記者だったらしい。どうりで仕事内容がリアルだったなあ。


僕のなかの壊れていない部分 白石一文