食べ物とか旅行とか

東京在住 アラサー社会人の備忘録です。

カメラ忘れた



 六本木アートナイトに行ってみた。複数の歩く事で結ばれる拠点で行うにしてはちと寒い気候だったけど、改札を降りればパンフレットを配る人がいて、街を歩けばパンフレットを配る人がいて、PRはなかなかの動員数。お客?も結構いたような気がする。目玉の一つとして火を噴くロボットというのがあって、それを見に行ってみたんだけど、オープニングで火を噴いたのはほんの数回。ボンベに異常があったのか、ものすごく燃費が悪いのかなみたいな感じ。動きものろくて、ごきげんに踊るというにはお粗末様だった。となりの沖縄物産展の音楽が負けずに張り合っていたのがマイペースうちなんちゅな感じだった。



 気を取り直して新国立美術館へ。ルーブルが来ているのだ。これは普通に見たかったので普通に入場。入場料も普通かよっと思ったらアートナイトなので、ポストカードが1枚プレゼントされた。ルーブルとはいえ、ルーブルに所蔵されている中東とかヨーロッパあたりの発掘もの?とか皿とか絵がミックスで展示されているので飽きずに見られる。タイトルが簡略&素材がカタカナで書いてあるので、結局なんだこれ?みたいな感じで知りたい事がわからないものが多数あった。でも、フランス人の男児は幼少期に女の服を着て育てられるのが上流階級の慣習だとか、おもしろいことも結構書いてあった。ギフトショップを見ていて思ったが、何がかわいいと思われるか、ちゃんとわかっている商品ばかりだ。決して気品あるものばかりではなく、女子高生が来ても「カワイー!」とかいって買って行きそうな感じ。ここ数年で美術館のビジネスは本気になっているような気がする。新国立なんて自分で所蔵品を持たない企画専門の美術館だと聞いたけど、本当は実力のある若い人の作品とか買って時々展示して、そういう美術家のサポート的な役割もあると思うので、全国にこの風潮が広がって行くのはあやういんじゃないかと思う。ちなみに、私イチオシの見所は、葡萄を収穫するアモールのタピスリー。アモール(たぶん天使)達の顔がかなりかわいくない。ちゃんとポストカードになっていた!買えばよかったかなあ。

 さらに、別の階の展示、アーティストファイルが無料で公開されていた。二文卒業の石川直樹はここでもひっぱりだこ。この人の写真集こないだ見たら8000円もしたのですげー!と思った。もし買ったらもはや家宝級である。二文を出て建築の学科に編入する人とか多摩美やムサビに行く人はたまに聞くけど、東京藝大の院に行ける人ってそうそういないよなーと改めて感心。自分もこんなに引っ張りだこになりたいものだと野心を燃やしたりする。外にはおそらく探検で朽ちたカメラ達が展示されていた。カメラってこんなに腐るものなのか。と思わされる。これもルーブルで「17世紀後半 日本三重県出土」とか書いて置いといても違和感ないなー。(んなことない)



 それからミッドタウンの裏でやってた豆電球風船。これもってパレードしていたらしいけど、たぶんこの芝生に到着した時の方がきれいだ。地面が草だし、風がそよいで、風船ゆらゆら。夏の菅平高原なんかでやったらとても気持ち良さそう。ちと寒いのが残念。Tシャツでねっころがりたいなあ!



 というわけで、企画のごく一部しか堪能してないんだけど、あれこれかけずり回るよりゼータクに時間が過ごせたような気がして満足。そんなに驚く程の混雑もないし、街中で行う企画としてはとても楽しかった。シャッター通りと化した商店街とか、こういう使い方したらおもしろいんでなかろうか。今廃校した中学校の教室を若手アーティストに貸したりするところがあるけど、商店街という雰囲気のある町並みで、各店舗のあとにアーティストがアトリエを構えるという。それがアトリエ街を築くようになれば、エリアは文化的価値の高い町並みとして成立しないかな。若いアーティストに必要なのはお金のかからないアトリエと作品発表の場である。それを見る側に必要なのは、その人のプロフィールや評価にとらわれず、自分が好きと思った作品(もの)は応援する気持ちもちょびっとこめて「えーい買っちゃオッカな!」と思う気持ちである。