食べ物とか旅行とか

東京在住 アラサー社会人の備忘録です。

成果主義の波ここにも

 銭湯を活用する横浜市南区の介護予防型通所事業「デイ銭湯」が存続の危機を迎えている。来年4月から改正介護保険法が施行されるのに伴い、入浴で健康が保てた事を数字で証明しないと介護事業の認定を取り消されるからだ。ユニークな福祉事業も「成果主義」の難題を突き付けられている。
 デイ銭湯は97年に始まり、介護保険法に基づく介護予防型通所事業に認定された。自分で通える65歳以上の人が通常料金の半額の1回200円で利用できる.入浴のほか、体操やゲームで介護を必要としない体づくりを目指す。閉じこもりがちな高齢者を社交の場に出し、認知症等を予防する目的もある。
 昨年度は4銭湯で年間述べ3035人が利用、今年度上半期は5銭湯で延べ約2500人が利用した。毎年利用者は増え、今年度は市から1200万円の補助金も出た。
 しかし、法改正により、すべての通所事業で「介護予防の効果があるか」を再評価し、継続について検討される事になった。国は「事業で要介護認定者が減少したことを証明できるように」と評価指標を示しているが、予防型の事業は「病気にならなかった効果」の特定が難しい。だg、あこれを証明しないと介護保険料が使えない。
 市福祉局は利用者アンケートなどを通じ「閉じこもりの高齢者をどれだけ外に出したか」を証明したい考えだが、中井邦雄高齢住宅支援課長は「身体、精神の両面で効果を評価しようとすると、難しい」と困惑する。
 デイ銭湯は8年かけてお年寄りの閉じこもりを防ぎ、人間関係を築いてきた。事業がなくなれば、交流の場もなくなる。
 長年介護していた夫を亡くし、閉じこもりがちになっていた時に市職員からこの事業を紹介された人は「デイ銭湯に行くとみんなに会え、おしゃべりできるのが楽しい。なくなったら困ります」と訴えている。

 毎日新聞では「成果主義」についてシリーズを組んでいたが、今日はその番外編?今までは主に日本の職場での事例を紹介する記事が多かったけど、介護の世界にもこんな事が起きているらしい。私は銭湯が大好き(普段は行かないけど)。在庫がきかない商品であるが故に、半額の200円(実際には補助金で200円足されて400円しっかり受け取っているのだと思うけど)でもお客さんが入るのは銭湯にとってもよいことだろうし、これでお年寄りが元気になるなら良いだろう。この銭湯がどんどんとつぶれてゆくご時世に、銭湯を活用した事業というのは個人的には応援したい。まあ、補助金が使われる事業なのでただのおしゃべり会であるのか本当に介護の目的を全うしているのか見極めは難しいだろうけど、これは一律に数字で判断するのはまずいのではないだろうか。風邪でも保険でも、予防系のものは本当に意味があったのか、よくわからない、旅行にかけた5000円の旅行保険、実はいらなかったのかな、とか思う時もある。けど、それが保険。慎重に対応して頂きたい。
 以前、我が家の近くでホームレスを保護する施設(ちょっと怖い人が経営主)ができあがるってんで、反対の声が上がった。施設自体は必要なのかもしれないけど、それは国からの補助で、ホームレスを1人泊まらせると数千円/日が支払われて、受け取った補助金のうちいくらかをお小遣いとしてホームレスに私、残った分は経営主へ。という制度を利用した物であったような気がする。他にも色々問題があって結局計画自体はなくなったみたい。補助金を使って誰かが儲けるというのはよろしくないだろう。そんなあら探しをすればいくらでも上がってくるのだとは思うけど、削減削減の波で本当に必要な物まで削減されませぬよう。