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東京在住 アラサー社会人の備忘録です。

学部の未来 2

 タイトルを安易につけてしまった。学部の未来に関しては主に演劇ワークショップの特集部分に記載されている。

 古井戸秀夫先生がコーディネーターをされ、他に10名程度の教授達がクラスに分かれ、夏休み中の集中講義で指導してくれるというもの。ワークショップの内容はもちろんだが、新学部の内容についてもいくらか述べられている。

 演劇ワークショップについて「残してほしいとは言っている」とはしながらも、「他に芸術の科目がなくなってしまう」からそう思わなくなってきてきたと言っている。

 表現・芸術系の科目として設置されていた授業は実技だけでなく、座学もなくなってしまいそうです。一文にある授業が縮小されて残るぐらいで、今のところ新しい学部の中に実技のプログラムはないようです。

 多くの文学部の先生方はそうではなく、どちらかというと教養的な部分を重視している。これから社会に出て行く若い人たちにとって、大学で学ぶべき事は何かという基準が違うんですよ。新しい学部は、大学を出て恥ずかしくないような教養を持とうという方針なんです。

 第二文学部には5つの専修があり、約半数の学生が表現・芸術系を選択する(入学時に選択し、希望は100%通る)。しかし、カリキュラム自体もそれほどきつくないためにいわゆる「勉学」的な学びよりは、ワークショップを始め、おのおのが興味のある分野を集中的に学習するという面がある。これは良くも悪くも言える事だ。自分の好きな事を思いきり学べる一方、世間一般的な事柄はあまり触れなくなるから。まあでも、大学に来る時点で「一般教養」と呼ばれるものは身に付いているべきだと思うのだけど。 きっと一つの目的として学部としての人材教育力みたいなものを上げてゆきたいのだと思う。文学部は就職に不利と言われるし。だから、こういう聞き慣れない名前にして文学部とは一線を画す新学部を誕生させたのではないかと思った。今や毎年「就職に強い大学ランキング」などが発表されて、学部ごとに順位が雑誌に載っている。自分が受験生の時なんて、ただ漠然と「就職に強い=良い大学」という公式ができあがっていたので、自分が受けようとする学部がどのくらいにランクされているのかが気になっていた。まるで、大学は就職のために行くかのように。あと、ひどいのが就職サイトの登録時、たいてい一文を選択すると専攻も選べるのだが、なぜか二文の場合「学科なし」という選択肢しかない事が多い。なんだよ、これ。

さて、話を戻して

このワークショップの一番の目的は公共ホールで働く人材の育成でして、公共ホール系でプロの仕事に就いた人は六年間で十人くらいいるようです。(中略) 今までの演劇科では、大体一学年に二人ぐらいしかそういう道に行く人はいなかったから、確率としてはこの演劇ワークショップ履修者の方が若干高いようですね。

演劇の専攻でもなく、単に夏期集中授業の1つであるワークショップを通して仕事として選択するというのはなかなかすごいことだと思う。実際に私の友人もそういえばホールに勤めると言っていたっけ。

 グラミネは他のフリーペーパーと違って、あまり突飛な企画はしないので失笑的な面白みはもとからあまりないけれども、今回の号は全くそれがないにも関わらずとても興味深かった。4月号の特集の話もちょっと聞いたが、おもしろそう。こういった地道な活動はこれからも続きますよう。