食べ物とか旅行とか

東京在住 アラサー社会人の備忘録です。

用心し過ぎると懐が寒い

 インドへ留学するにあたって、もっとも心配だったのが病気。まあ保険(保険の選び方のポリシーは旅行カテゴリに有り)には入るし、万一入院するような事があってもお金の面で困る事はないだろうにしても、やはり文化の違う国で入院して治療を受けるというのはちょっと怖い。できればしたくない。入院するにしても日本の、うちの近くのあの病院がいいなあ、などと思ってしまう。間違っても国の名前を冠した大学病院は避けたいなあ。

 んで、怖がるんだったら先手必勝というわけで予防接種を受ける事にした。調べてみると、インドに入国するに際して法的に要求される予防接種は無い。アフリカ大陸の指定国を経由して入国する場合は黄熱の予防接種を受ける必要があるが、私は日本から飛んで行くから関係ない。しかも、これは黄熱発生地域からの黄熱の流入を防ぐためであるから、インドにおいての他の病気の発病を防ぐものではないという事になる。

 では、私には何が必要か?まず親が「A型肝炎だけはよろしく」と言っていたので調べてみた。すると、注意すべき感染症というのがけっこうあって列挙すると、細菌性赤痢、食中毒、アメーバ赤痢ランブル鞭毛虫症、コレラ破傷風、A型肝炎、B型肝炎狂犬病マラリアデング熱、ペスト、日本脳炎などなど。赤痢って聞いた事があるけど、種類があるのとは知らなかった。。このうち、予防接種が受けられるものはだいたいコレラ以下みたいなのだけど、予防接種を受けるのが結構大変。


 まず予約をしなければならないが、東京近辺ではお台場、成田空港、横浜、で週1〜2回実施。東京駅では平日いつでも受けられる。が、前記の3ヶ所とは別機関。何が違うのかはよくわからないが。。とりあえず値段は違った。お台場へ予約電話をかけた時には「3週間先までいっぱいですけどそれでもいいですか」といわれ断念。その時点で出発が3週間後だった。そこで東京駅のへ電話すると「いつでもどうぞ」とのこと。この違いはいったいなんなのだろう?

 この時点で、A型肝炎と狂犬病を受ける事を決めていたのだが、これを受ければ安心!という決定的な根拠がないので受付で申し込む際に尋ねてみた。すると、医師との相談が可能だという。そして聞いてみたら、それはもう。。確かに用心することに超した事はないのだが、かといってやたらと不安をあおってこれもあれもと勝手にリストに書き込まれ、気がついたらあと2種類追加されていた。というのは…。ある程度知識を持っていったつもりだったのだけど、「今ブレイクしているから」「あと3週間あれば、これでなんとかなるわね」とかいわれたらもう私だめ。結局予算を大幅にオーバーし、2倍に膨れ上がってしまった。

 予防接種には1回で終わるものと1〜4週間の間隔を空けて2回受けなければならないものがある(もしくは、小学校や中学校で基本的な接種を受けていれば、追加接種1回をすればまた校歌が蘇るというものもある)。その多くがもう1回、半年〜1年後に摂取すると効き目の寿命がかなり伸びるという。例えばA型肝炎や狂犬病は最低2回受けるのだけど、それが注射1本毎の値段になっている。つまり、最低でも料金表に書いてある2倍のお金が必要らしい。A型肝炎なんて1本7000円以上だから、セットで15000円近く。ああああああー。

 一番私が躊躇したのは、これを受けたからといってもう感染する心配がないという訳でもなく、万一発症した場合も自己責任という事だ(予防接種を受けたことが原因で何かおかしくなった場合は補償内みたい)。だから合わせて4種、4万円かけて予防接種してもそれだけの価値があるのかどうか、私にはよくわからない。ただ私が受ける事にした4種のうち2種は、感染した場合100%死に至るというヤバそうなものだったため、やはり安心には値段がつけられないという事で涙をのんで入針。献血と違って、とても針が細い。一方通行だからと言っていた。献血と同じかと思ってひじの裏を差し出したら、違うのよ〜と得意げに言われてBCGを打ったようなあの辺に、1回につき両腕に1本ずつ、計3回、6本の注射を打った。

 また、日本脳炎について、これは中学生くらいの時に日本の子供だったら全員学校で接種しているタイプの予防接種らしいのだけど、この予防接種によって意識不明にまで陥った学生がいたようで、公式の推奨は取り消されていた。もともと100万分の1くらいの確率で副作用があることは判明していたのだけど、今回はかなり重傷に至ったという事と、日本の環境が改善し予防接種を行わなくても問題ないだろうという見解に至り、今は希望者が接種できるらしい。まあ、今の私には関係ない、過ぎたことではあるけれど。と思っていたら、私が日本脳炎の接種を受ける時のみ、医師の意思確認があり、誓約書「副作用があることを承知でやります」みたいなのに署名させられてから接種だった。

 今回この4万円。留学保険はだいたい1ヶ月1万円程度だから、約4ヶ月分に相当する。お金の事ばかりに目が行ってしまうが、事後ワクチンでなんとかなる感染症に感染した場合は、たぶん保険から治療費が支払われるだろう。だから、自分で痛い思いを先取り必要はなかったかも?と考えない事も無い。でも、こればかりは仕方ないな。自分の力でどうにかなる事ではない。

 もし予防接種を受けようとする人がいるならば、自腹ならばお台場などの方が都合をつけるのが大変だけどちょっと安い。時間を優先するならば東京駅隣にある診療所で受けるのが便利であります。前者は事前に予約をしっかりしていかなければ受けられず、後者は平日の好きな時にぶらりと行けば5分で済む。場所も便利だし。

 それにしても、接種しおわるとここでは証明書をくれるのだが(お台場その他の場所では証明書付きと無しが選べる。証明書があると、向こうで犬に噛まれたりして追加のワクチンを受ける際に、日本でこれを受けているという説明ができるみたい。)、その証明書と領収証が「まじめにやってる?」とツッコミたくなるくらい汚い。コピーを何回も繰り返すと字がだんだんと骨抜きになっていくが、それがかなりひどくなっている状態だ。まっすぐじゃないし。まあ、読めればいいってことかしら。

 細菌はそのへんにうようよしているらしく、水から、その水で洗った皿や、その水であらった包丁で切ったフルーツからなど、もう防ぎようがなさそう。とにかく、健康で帰れるといいなあ。ていうか、健康で帰る。

 私が受けた予防接種:A型肝炎、狂犬病(それぞれ2回)、破傷風日本脳炎(それぞれ追加接種として1回)