食べ物とか旅行とか

東京在住 アラサー社会人の備忘録です。

読んでて嬉しくなる本

 インドに来てから、部屋にはネット環境ないし、授業が無ければ予習復習(なんてしたのは久しぶりだけど)以外にはすることないし、ないないずくしの質素な生活。ここぞとばかりに、10冊くらい持参した本を読みあさっていたら、たった3週間で残すは2冊になってしまった。。本くらい日本人のが読みたいのに、こっちじゃ当然売ってないし、読むものがなくなってしまう。かといって後回しにしようにも、先にする事が無いからまいった。こういう時に日本人コミュニティーみたいのってすごくいいんだろうなあ。DVDを貸し借りしたりとか。まあ私が持ってるDVDっていっても、とある広告研究みたいな雑誌の付録のDVDが2枚だけで、しかもそれはインドに来る前の演習で友人に借りて、返す暇がなかったから成田の郵便局から送ろうと思ってそのまま持ってきてしまったというどうしようもなくなさけないエピソード付きなのだけど、これがおもしろい。

 と、その話は置いておいて、小説類とは別に持ってきていた建築本が予想外におもしろかったので紹介する。

インド建築案内

インド建築案内 神谷武夫著

 一応、インドの色んな建築の写真が載ってるよーっていうくだりで、父親からもらったのをそのまま持ってきたんだけど、実際に見てみてびっくり。写真がこんなにたくさん。そして建物もこんなにたくさん。いったいいくつ載っているのかと思ったら、287都市、612建築だそうだ。驚くべきことに、この全てを著者が自分で訪れ、写真を撮り、
文章をつけ(三ツ星評価も有)、重要な所では街の簡略地図をつけ、簡単な行き方泙能颪い討い襦?蓮爾覆鵑?霰??世福爾隼廚辰燭蕕修譴發修里呂此?爐魯ぅ鵐匹縫魯泙辰討靴泙辰燭蕕靴ぁ?泙┐??箸△箸??鯑匹鵑任い襪箸修譴?劼靴劼靴氾舛錣辰討?董?豕い房罎?海泙譴討靴泙辰拭

 特にいいなあと思った所を列挙すると、
・オールカラーで写真が豊富(掲載分だけで約1800枚、文字数もすごい)
・扱いが小さい建築では、特徴的な所のアップだけだったりして、全体の雰囲気が全然わかんなかったりもする
・超主観的評価であると念を押している
・ただの建築本でおわらないよう、実際に行く人も、本だけで済ます人も楽しめるように工夫したみたい
・まえがきとあとがきを読んでいると、ああ、この人、すごく好きになっちゃったんだなあというのが伝わってきた
・そこまでのアクセスが簡単に書いてあり、行きにくい場所の場合は3日コースくらいでの予定まで紹介してくれる ホテルの指示もあり
・バスは疲れるという感想があった
・路線図では、鉄道(ブロードゲージ)と(メーターゲージ)を区別して書いている
・索引が充実(建築家、地名・建物、一般用語の他に用語解説、文献案内、インド建築の年表なども)
・タージマハルにも口を出す

 結局、全てはあとがきを読んで好きになってしまったのだけど、この内容でこのボリュームは、ちょっとでも興味があるなら買いダネ!と推しまくりたい1冊となった。

 なぜそんなに良い印象を持ったかといえば、某ガイド雑誌の影響もあるだろう。いつも他の旅行ガイドを買おうと思うのだけど、情報量が圧倒的に多いので結局仕方なく買ってしまうガイドなのだけど(本当はロンリープラネットがいいけど、高すぎる)、インド編は特におしつけがましいのだ。「これがインドだ!」とか「君は本物のインドを体験したか?」みたいな。それに比べて、この本は非常に主観的であるし、自分が感じた事を素直に記述している。やはり自分で20年かけて12回も撮影旅行を繰り返して歩き通した実感が込められているからではないかと思われる。日本の9倍もある、人口も9倍くらいある広い土地を北から南まで、しかもインフラもしっかり整ってないような山奥にまで、よくぞ行ったもんだなあ!という感じ。田舎のページを開いて、アクセスをちょっと読んでみるとよくそれが分かる。ちなみに私が興味のある建築物は北部にまとまっているので、バンガロールからでは難しいかなあーと思った。とにかくお勧めなので、買わなくても、あとがきだけでも読んでニヤリとする価値があるように思う。買っても2718円+税。生協なら1割引。オールカラーのこのページ数でこの価格は、お人好し?!じゃないかと思うような価格設定だと評価する。

 読み返してみたら気持ち悪いくらい褒めてるなあ。唯一の難点をあげるとすれば、これ1冊でも旅行するのはちょっと難しいかな。そして重い。でも机の上で旅行気分を味わうにはもってこいの1冊。ってまた褒めて終わってしまった。。

 ちなみに、こっちに来て初めて村上春樹を読んでいるのだけど、予想外に良い作家じゃないか!と思った。今までそんなにいい印象がなくて読んだ事がなかったのだけど読みやすいなあと思う。今まで有名すぎて敬遠していた。1冊しか持ってきてないんだけど、他の著書も読みたくなった。宮本輝には少し飽きが来たかも。誰かインドに来る時には文庫本持ってきてください。