食べ物とか旅行とか

東京在住 アラサー社会人の備忘録です。

タージの裏側

 タージマハールの入場料はすこぶる高い!入場料がRs.250(ルピー)に、ADAチケットという老古学局?に払う寄付金見たいのがRs.500。トータルでRs750である。日本円に直すのも野暮ってもんだけど、インドの物価からしたら目玉が飛び出ちゃうくらい高いのだ。だって悪名高きポタラ宮より高いし(今は工事中とか、1時間しかいられないとかいろいろあるからなおさらなんだけど)。まあ、ADAへの寄付金は1日フリーパスみたいなもので、アグラの他の遺跡に行っても同日中ならADA分を新たに支払う必要はない。とりあえず今日は行かないってことにして、裏側をほとばしっているはずの川を探しに行く。それは暗くなってきた時間に歩くのはちょっと危険だと思われるちょっとやばそうな道なんだけど、裏側には警官もいてそれなりににぎやかっていうか、警官がすごく絡んできた。とりあえず写真を一緒に撮って、ピストルがすごかったので眺めさせてもらって、それはそれで楽しい。すぐ暗くなっちゃったけど、暗闇に浮かぶタージマハールもきれいだ。特に停電でタージのライトアップもなかったけど、それでも存在感が感じられるのですばらしい。ちなみに、普段ライトアップしているのかは知らない。

 裏側の対岸に船で渡ってそこから眺める逆さタージもいいらしいが、あまり興味がなかったのでやめた。来たからにはあれもこれも、というのはかえって疲れるし、写真見ててもおもしろくないしー。という割に「デリーに行くんだからタージくらい見とく?」とかいってアグラまで来たお前は何なんだ!と言われても聞こえないふりをしそう。しかもデリーとアグラって電車で3時間もあるし!切符を買うのだけで1時間以上かかったし!

(そうそう、これからデリーに旅行するような人に役立つかと思いますが、デリー駅で切符を買うのに「エマージェンシー窓口はこっち!」とか「外人用切符売り場はこっち!」とか「そっちに切符売り場はないよ!」とか時刻表見てると「この電車に乗りたいならこっちの窓口だよ」ものすごい数の人が言ってきて外に連れて行こうとしますけど、切符売り場は駅構内にしかありません。彼らは旅行代理店に連れて行こうとする人らしい。外人窓口はホームから一度出てチケット売り場が並ぶ建物の2階。分かりにくいけど、たどり着ければいろいろ教えてくれるので便利です。24時間営業じゃないので要注意。私は「時間がないからエマージェンシー窓口へ!」とか言われて重いバックパックを背負って走らされた上、ついてみたらやる気のない店員が座ってるだけの旅行代理店。「GOV. Info」とか書いてあっても全然嘘なのでそのつもりで。)

 帰りの電車はアグラカント駅向かって右にある2nd classチケット売り場で乗車券を購入。電車に乗ってから車掌に頼んで「空いてる席を売って頂戴」と、指定席を買うのだ。しかし運悪く私が乗った電車は座席車両無し。寝台しかないのでとかいって、乗車券の5倍くらいの値段を言われた。あまりに高くて「じゃあGeneral Seatに行くよ」と言ってしまったんだけど、次の駅で車両を移動して愕然。20両以上ある電車のうちGeneralはたったの2両。しかも人が乗り切れないくらいもうおしくらまんじゅうだ。全然乗り込める自信がない。と思ったら先頭の貨物室にも人がたかっていた。こっちの方がおしくらまんじゅうしている人が少なかったので望みをかけて、めり込む。しかしでっかいリュックを背負いながらのクライムはなかなか難しい(基本的にはバスも電車も車高が高くて乗り込むのが慣れるまで大変)。片足さえ乗せる場所がないんだもん。と思ってたら動き出した!友人はもう乗り込んで奥の方へ押し込まれてる!まずい!とそのとき「ジャパニーズ!!ヘーイ!」とかいってホームにいたインド人青年が水のボトルを持ってくれて、さらに押し上げてくれた。助かった!ダンケ!それからは中にいるおばさんが荷物を奥へ押し込んでくれたり、入り口に座ってたおじさんが足をかかえて落ちないようにしてくれたりと、ほっとする場所であった。でも、最初に見た時はアウシュビッツ行きの電車みたいでどうしようと思ったのも事実、貨物室だから、大きい扉が開いてて、片側に3段ある棚には先客がひしめいている。残りのスペースも人で埋まってるし。でも、電車1つ乗るだけでもこれだけ考えさせられる事ってそんなにないだろうな。決してこの車両に乗る事はおすすめしませんが、もし見かけたら「ああ、あれがGeneralかな」って思うと感慨深いかもしれませぬ。


 アグラは観光客慣れしている町なので日本語で話しかけてくる人も多いし、いろいろ売りつけてくるのがやっかいだけど、駅からタージへのアプローチは田舎っぽくてチャリリキシャで移動するのは気持ちいいし、タージはうっとりするし、行ってみていい所かと思わる。以前話題になっていた行方不明の慶應生?の尋ね人ポスターがあっちこっちに貼ってあるのが胸を締め付ける。しかし私たちも気をつけなければ。今回初めてこういう旅行を2人でしてみて思ったけれども、一人旅ってどんなに危険な事か!自分がいなくなったって気づいてくれる人は誰もいないかもしれない可能性限りなく大。ああ、怖い事を今までしていたんだなとひしひしと思った。