食べ物とか旅行とか

東京在住 アラサー社会人の備忘録です。

長江哀歌

 長江哀歌の字の横に小さく「ちょうこうエレジー」と書いてあって、『上海エレジー」のパクりかとちょっと思う。ちなみに英題は「Still Life」。

 ちょうど2年前の夏休みに大阪から上海まで船で行って、さらに長江を船下りをした。あの時は「船なんて二度と乗るもんか!」と硬く誓ったのを今でも覚えているけど、帰りの船で九州が見えた時の空のきれいさ、感動もまた覚えていて、それを思い出すと「あの感動が味わえるならもう一度くらい乗ってもいいかな」とか思えちゃうのがおそろしい。どっかの会社の面接で
「今まで一番辛かった事はなんですか」と聞かれて
「辛い事はいくらかあったような気がしますが、辛い事はすぐ忘れて良い思い出にしてしまうので覚えてません。」といった非常識学生の発言もうなづける。


 さてこれは長江の三峡ダムにまつわる地域住民のお話。長江の沿岸では百万人単位で立ち退きが行われ国家事業が推進されている。その完成を間近に控えてこの映画が誕生したようだ。私としてはとっても興味があるので見てみたい。

 実際に船下りをした時には「ダムができたらこの景色もなくなる」と言われていた。あの頃よりはまた水位も上がって景色は変わっているんだろうか。世界最大のダムを造るために多くを犠牲にしている国家事業。改革には痛みがとはよくいったものだと思うけど、今の中国の迷走ぶりにやけに憤る私。たぶんこの映画はそういう国家を非難したりするのではなく、人情系のドラマだと思うので安心してみられそう。チラシを見ていたら作品のプロフィールの所に「HD→35mm」と書いてあった。なるほど、そういう手もあるのか。



id:mokich:20051031 三峡下りのレポート

長江哀歌


 そういえば北京オリンピックまでちょうど1年。記念祭典が行われるのと同時に新聞各紙でも色々な議論が交わされているみたい。私は人口消雨の技術に興味がとってもある。雨が降らなくて地割れや農作物の収穫ゼロを救うためにその逆の「少量の雨雲を大きくして大雨にする」というロケットも各地で打ち上げられているらしい。こちらはまあ仕方ないのかとも思えなくもないがやはりもやもやした気分はぬぐえない。それはきっと、自分たちの都合で得た(のであろう)不都合を、自分たちのために無理矢理都合良くいじってしまうという気持ちに問題があると思うからだ。「世界最悪」と評された環境汚染度や、農村の貧しさ、強引な再開発の嵐、そして世界中から注目されている北京オリンピック毎日新聞では屋台で売られるグロテスクな食べ物の写真を用いて「こういうありのままの姿が世界から期待されているのでは」と書かれていた。まさにそうなんだろう。これだけのパワーを持った国が自分の確固とした価値観を持っていないとこういうおそろしいことになるんだなあと近頃は考える。就職前にまた中国行ってみようかな。