食べ物とか旅行とか

東京在住 アラサー社会人の備忘録です。

さらば、川原湯温泉

 週末に軽井沢。なにも3連休にでかけなくてもー、と思うけど、休みがあうのがそのくらいしかないので仕方ない。でもまあそこまでひどい渋滞にも巻き込まれる事なく楽しむ事ができた。そして帰りに上田方面を経由して渋川伊香保インターから帰る事になった。となるとルート的には草津につながる道を通る事になる。吾妻渓谷という、結構山の中のがけっぷちをくねくね走る道なんだけど、こないだ行った時は土砂降りで排水溝から重力に逆らって水が噴き出していたり、崖沿いにどす黒い濁流が雪崩落ちてきたりしていてかなり怖かった。が、今回は晴れ。前回見えなかったものが結構ある。主に、崖の下の川とか対岸の整地したところに立つコンクリートの巨大な柱だ。高速道路の橋脚っぽいけどなんだこれ。かなり高さ的にも高いし、景色としては中国の地方開発を彷彿とさせる。


 話は変わって昼飯は、川原湯温泉駅近くの「ふるさと」という所で。単に看板が出ていたから「ま、ここでいっか」程度の気持ちで入ったんだけど、入ってみてビックリ。混み過ぎ。合掌造りの古民家風で、いろりなんかもちゃんとある。駐車場には水車。ひろびろしていてなかなか良い。でも何か違うなーと思ったら天井がしっかりと1階分の高さで作られている事だ。あとから外から見たら、2階には人が住んでいるからみたい。肝心の料理だけど、とってもヘルシーな味付け。年配にはうけると思う。


 このあたりは吾妻渓谷と呼ばれ、下には川が流れ、川原湯温泉という温泉も湧いているらしい。ついでなので近くの温泉に入って行く事にした。ふるさとは川原湯温泉の入り口に位置し、店を出るとすぐに「川原湯温泉へようこそ」というゲートでお出迎え。ここから上り坂を車で2、3分上ると温泉街に到着。すんごく昔の、殺伐とした鄙びた景色だけど、硫黄臭もするし、温泉街としての雰囲気は良い。というか、独特か。色気がない分、なんだか湯治場という感じ。砂塩風呂に挑戦しようとしたら2500円もかかるのでパスして目の前の公衆浴場「王湯」へ。300円で温泉に入れる。男女別で、内湯と露天があるが、その2つは離れているのでそのまま移動できない。普通ならどっちか1つってとこだろう。ここはもちろん露天へ。でもまあ、普通のお風呂って感じではあった。緑がたくさんあるので目に優しい感じ。今まで何度も通っていたけど、途中だから通り過ぎていた。寄り道してみて正解。


 川原湯温泉のパンフレットには「幻となる前に…」と書いてあったのでなんじゃこりゃと思っていたら、なんとダムで沈むんだとか。ダムの名前は八ッ場ダムと書いて、「やんばダム」と読むらしい。そしてあの濁流ながれる崖っぷちの道路とか、日本一短いトンネル(7メートルちょい)とか、そしてこの川原湯温泉も沈む。道理でよくわからない場所に橋脚がそびえ立っていた訳だ。しかしダム反対!的なのぼりが立っていたりという事は特になく、温泉街の目のつく場所にはむしろ「ダムができるとこうなります」という説明が書かれていたりした。複雑な気分ではある。が、温泉を楽しむ時間としてはこっちの方が健全。この温泉街は高いところに移動して、新しい温泉街としてまた営み続けるのだとか。ダム事務所の将来の温泉街図がなんともイメージがわかず…という感じだけど。


 そして川原湯温泉の帰りはさらに「榛名湖」という所に寄り道した。といっても渋川伊香保インターまでの道で距離的にはそれほど変わらなそうに見えたから(地図上では)。でも実際は山登りとかしておんぼろ車では結構大変だったけど。榛名湖は小さな湖で、湖畔から湖の全周が見渡せるという、結構珍しいんじゃないかと思う景色。そして榛名富士という、ミニチュア富士山がそびえたっていて、それほど栄えすぎている訳でもなくよい景色だ。だいたい日没とともに街も閉まってゆくようだ。セゾンドはるなというホテルのレストランからの眺めがとても良いものだった。


川原湯温泉

八ッ場ダム事務所