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東京在住 アラサー社会人の備忘録です。

田原総一郎が来た

 早大生には朝日新聞と政治家が多いなーと思うけど(ちなみに二文はNOVAが結構多い年があった)、大隈塾の特別講演で田原総一郎山崎拓毎日新聞論説委員政経の教授が2名ほど。

 
 私は新聞では毎日新聞が圧倒的に好きだ。それは「議論のある新聞」という言葉の通り、記者と読者、あるいは記者同士の議論がタイムラグはあるものの、「議論」されているのだ。重要な事件毎にこういう事があるので、読んでてとても引き込まれる。そして個性的な記者も多いらしい。今でもよく覚えているが、佐藤という記者が癌で死ぬと言われてから日記のように書き綴った記事がある。タイムリーではないものの、数日のラグで「今日は痛い」とか考えた事が書いてあるので、毎日食い入るようにして読んでいた。
 また、一時期「きゃんぱる」という週1度、大学生が紙面を作るページの企画会議にお邪魔させてもらった事があるが、その後担当記者と話をしたりする中で、ああやり甲斐のある仕事なんだなあと感じた。毎日新聞に応募してみれば良かったな。

生きる者の記録 佐藤健



で、話は戻るが、田原総一郎と言えば数年前に確かイラク派兵が決定した新年、「日本の終戦は今年終わりました。」という発言で番組を始め、それがとても印象的である。その彼が今回はまさに当日の朝、新聞で報道されたばかりの「小沢辞任?!大連立計画」と2日前に帰ってきたばかりという「北朝鮮問題、拉致、援助」の2本立て。2時間のうちは2/3は政治問題だった。


 さすがと言うべきか、議論はとても整然としていて少しも表情に出ない。ニコリともしないけど。そして自分の主張、質問を「ぶつけ」ようとするので、結構言葉がかぶるがたじろがない。その潔さはそこらの日本人にはない所かなーと思う。田原が山崎拓の矛盾点をしっかりと突きつめてゆく所とか、頼もしいなと感じた。「新聞の考える政治と政治家の考える政治は全く違う」と断った上で、2人に同じような質問をなげかけた。

新聞委員は確かに疑問に思う部分をはっきりと提示し、主張や疑問を整理して聞く事ができた。それに対して、山崎拓はどうも物事の背景とか事実を説明(時にはいいわけ)するだけで、あまり本人の考えが見えてこない。おまけに話が長い。悪い癖だと思われる。やっぱり新聞記者の方が自由というか、仮説に基づいて事実を検証してゆく事ができるのかなと聞いてて思う。


 北朝鮮問題ではオフレコ発言も飛び出し、そのせこさを全く感じさせない、(まさか早大生を信頼しての事なのか?)堂々とした発言には驚く。会場もシーンとなってしまった。しばらくしたら番組で発表されるようだけど、記者にも「会社の人には言わないで下さいよ」と何度も釘を刺していたし。


 最後に質問を1つだけ!と聞かれ、大隈講堂がほぼ満席状態だったにも関わらず、誰も手を上げなかった事が残念。大隈塾の特別講義だっただけに、しっかりしろよ大隈塾生。彼らは日本の未来を背負うエリートになる人材ではなかったっけ。


 大隈塾には講義形式とステップアップしてゼミ形式のものがあるようだけど、田原が塾頭だけにやっぱりゲストはとても素晴らしいと思う。こんなのが定期的に聞けるなんて、やっぱりいい大学に入るもんだと今さら自己満。


 にしても、毎日新聞いいなー。今の業界新聞記者バイトはアピールポイントにならないものだろうか。。