食べ物とか旅行とか

東京在住 アラサー社会人の備忘録です。

自動車絶望工場

 前述の新しいブックカバーを買ったので、英語版のカフカも読み終わった事だし、ずいぶん前に読み終わった本を再読しようと思い立つ。本を二度読むという事はあまりしたことないのだけど、ずいぶん前に読んだ本ならまた読んでもおもしろいかも、と思ったのだ。ふとね。

 で、部屋に落ちていた本を拾い上げたら「自動車絶望工場」だった。この舞台になっているグループ会社に勤めている友人とか、期間従業員になって金貯めて東京行きたいとか言ってる友人に勧めてみたりしたっけなー(性格わるい)。しかし、かなり昔に読んだ本ではあるものの、仕事がキツいという話をするときにはこの本を知っている友人の間ではたまに話題になるほどインパクトの強いもんだった。

 大学で労働についての授業を取っていたときに先生に勧められて読んだんだけど、その時は働く事に対してもーれつにネガティブになった。けど、働いている今読むと案外ショックは少ない。もちろん、書かれている事が想像力の限界を超えた描写であることもあるかもしれないが、諦めとか辛抱といったことは「働く」限りついてまわるものなのだろう。我ながら大人になったなあ、とか思いながら、今会社やめたら何しようとか考えている。でも、今は仕事以外に打ち込めることが候補に無いから辞めないだけで、つなぎなんだなあと思った。会社に入ってみて思ったが、自分のいる会社の方向性が定まっていないと、そこで働く人間も方向性を非常に定めにくいような気がする。そのような曖昧な空気の中で、個人レベルでも消費するだけの日々が過ぎ去って深みが無い。政治なんかもそうだと思うけど、一般労働者なり国民なりに、夢を持たせなければ成功しないだろう。たとえ現実的でなくてもよいから、ただ希望を。苦しい状況から抜け出すためにがんばろう!なんて言われても、全然やる気おきませんから!

 が、世界一の座を狙う企業の中ではどんなんだというと、この本の世界になってしまうのでやっぱり世の中わからない。


自動車絶望工場 鎌田慧