食べ物とか旅行とか

東京在住 アラサー社会人の備忘録です。

チャオ!Ti Amo!(イタリア語)の次は

 チャロー!!


というわけで、森美術館チャロー!インディア!に行って来た。森美術館のすごい所は、平日は夜の10時まで開いているという点である。そりゃ六本木なんて行きにくい所にあればトーゼンだなんて思ったりもするけど、夜の10時だったら働き盛りのサラリーマンでも行くチャンスあるやん?とか言いながら、普通に行ってきましたよ。日曜日の夜に。


 一般人は1500円で美術館と展望台の両方が楽しめる。展望台は24時くらいまでやっているから、先にのんびり美術館を見て展望台がよいかも。そして日曜の夜はかなり空いていてさらによいかも。私が行ったときなんて、美術館の方が混んでたんじゃね?と思った程である。まあ、東京の眺めはきれいだけど、見飽きたかなー。(誰だお前)


 貧乏性の私が喜んだのは、音声ガイドの無料貸し出し。普通の所だと、入場料が800円くらいでガイドが500円なんてパターンがありがち。ケチ根性でどうしても借りられないのだけど、入場料が高くて無料で貸し出してくれるならなんかお得な感じだから不思議だ。ガイドの音声は聞きやすく、こういう声したいなーと思う感じ。作品の解説は壁に書いてあるのとかぶっていたりかぶっていなかったり。しかし、ガイドによって作品が20倍くらいおもしろく見れるのは確かだと思うので、ぜひ借りておきたいところ。


 入ったとたんいきなり像がお出迎え。「インドって本当に像があんな風に歩いてるの?」と友人に聞かれそうだと答えたら喜んでいた。作品はかなり現代的マインドなものが多い。抽象から風刺まで。


 おもしろかったのは、ムンバイ出身の作家で、「最高の混雑の中で皆が実践している足のステップ4通り」みたいな床に書いてある足のマーク。実際にやってみると、どこがやねんと思うが、混んでたら案外威力を発揮するのかも。それよりもあの信じられない満員電車の混雑やらをこんな風にアート作品として完成させてしまうところがやはりたくましい。実際には作品というより美術活動の一環としてのユーモアだとは思うけどね。このステップがどれだけ役立つか、その混雑ぶりも併せてみせる事ができたらよりおもしろいことになったと思う。ちなみに、ラッシュはこんなイメージ笑。



 それから、違法露天商が使う商品陳列だな。変な形のサングラスディスプレイだと思いきや、取り締まりの人が来るとふたを閉じて、郵便ポストに早変わり。知恵と取り締まりのいたちごっこ、ってゆうか普段そんなところにポストないし、ポストだらけやん!と思ったりもする。解説では1万の登録露天商に対して9万の違法露天商がいるとかいないとか。


 もうひとつは、町中から集めたゴミでつくったデリーやムンバイのスラム図や地図。夜になると窓が開いて、六本木からの夜景とそのスラム地図が対比して見られるようになる。訴え方としては安直だなと思うけど、ゴミだけでつくったスラムは工作レベルだとしてもその熱意はすばらしい。そして結構雰囲気が出ている。見る価値有り。



 中国もそうだけど、経済成長の著しい波の中ではアートも金儲けの対象として扱われる事が多く、純粋なアーティストは育ちにくいんじゃないかと思う事がある。しかし、海外の経験も持ち始めたインド人アーティスト達(どうしても裕福な人たちだけど)がこれからどんな流れをつくってゆくのかはきっとおもしろい点だ。外国人の目にインドがどう魅力的に映っているのか、それを形にできたものが一歩飛び出たアーティストになるのだろう。その点では、スラムドッグという映画もその1つだと思う。


 チャロー!インディア!は3/15(日)まで。ちなみに、チャローとはヒンディー語でGO!に値する言葉、だと音声ガイドが言っていた。私の知っているヒンディー語とは違うけど、方言も含めて国内に言語が1200語もあればそういうこともあるよねーってなおおらかさで、おすすめである。