食べ物とか旅行とか

東京在住 アラサー社会人の備忘録です。

ゴーゴリさん、出番です!


 今読んでいる本。

その名にちなんで (新潮文庫)

その名にちなんで (新潮文庫)

六本木ヒルズのインド展に行った時に、ミュージアムショップで売っていたので買ってみた。プロフィールを見てみると、どちらかというと新しい作家のようだ。日本語訳のせいか、最初は文章に違和感があるけどすぐ慣れた。どれも〜だ。とか〜である。といった感じの冷めた描写だから。その書き方に伏線が潜んでいるのか?!と最初はかんぐって読んでいたけど、そんなことなく、素直に読めばよい作品である。

 ストーリーとしては、アメリカに移住して来たインド人夫婦の息子が変な名前をつけられて、インドのルーツとアメリカの現在の間で葛藤しながら結婚してどーたらという人生の話。移民という習慣がほとんどない日本人にとっては想像の範囲を出ない話だけど、とても興味深い。特に、あれだけいろんな人種が住んでいるアメリカにいたって、自分が変わった名前だったら気になるのかというのが意外だった。名前は変わっている方が覚えられやすくていいじゃないかと思うんだけど、そう思う人ばかりじゃないよねそりゃあ。インド人なのにゴーゴリなんて。日本人なのにトゥシャールと付けられたら…、それはそれでおもしろいかも?


 文章が淡白なだけに、前触れのない物語の急展開にはどきっとさせられる。訳者あとがきでも文体に迷ったようなことを書いていたけど、これで貫き通したのは正解だったかもしれない。楽しめた。カフカとかゴーゴリとか、日本語でも英語でも読める本は、日本語で先に読んでおいて英語を読むとストーリーが分かっているし、英語の表現まで突っ込みながら読み勧められるので、ちょっと本格的に、でもお金をかけないで英語の勉強を始めたい人向け。


 そして、たまたまタイムリーに産經新聞に、この本でもキーパーソンとして登場するニコライゴーゴリの記事が載っていたので嬉しくなる。

http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090410/erp0904101015003-n1.htm