食べ物とか旅行とか

東京在住 アラサー社会人の備忘録です。

見えない楽しさ


 目で見てないからこそ、見えてくること。わかること。感じること。
 くさのにをい。ワインのまろやかさ。木チップのやわらかさ。えんどう豆のなめらかさ。ランドセルのみらい。
 そして、あんがい人は、何も見えないとおしゃべりになり、素直になり、よくしゃべる。


 ダイアログインザダークに行って来た。予約した時間帯はチケット6000円。たけっ!と思ったけど、知り合いからモーレツに勧められたので行ってみた。前回はソールドアウトでだめだったし。今年も始まったと聞いてアクセスしたら、日曜夜が2枚だけ売っていたので即予約。MacだとSafariでもFireFoxでもなかなかうまく予約できないので注意。


 学生の頃にたかはしせおりという教授が、「暗闇から出てくると、世の中がすべてちがってみえるんだ!」みたいなことを感動気味に話していたのから気になっていて、親も行ったとかなんとか聞いたりしたので行きたかったのだが、やっとチャンスがやってきた。チャンスの神様は後ろがハゲていて、一度通り過ぎると髪の毛を掴んで引き止めたくても、つかむ毛がないんだよお〜とか昔読んだ小説に書いてあった。こういう時は一気に決断するが吉である。一緒に行く人間のアポもとれてないのにとりあえず予約。2枚で12000円なのでそこそこ賭けだ。


 結論から言えば、時間があれば行ってみたらきっと楽しい!!!!!
 と思う。おすすめ。五感がとぎすまされるとか、シックスセンスが働くとか、そういう感じは強く思わなかったけど、想像力で世界が構築されて行って、その中に行きている感じというのはおもしろかった。目を開けても閉じてもずっと変わらない世界というのは初めてだった。そして、暗闇の中では思った事をそのまま口に出してしまう。リラックスして、好きな表情をして、周りの目を気にする事なく素直な行動ができる。背筋を伸ばさなくてもよいし、相手の目を見なくても良い。この居心地のよさはなんだ。


 最後に暗闇から脱出し、話をしている時に、部屋が実はどんくらいの広さだったとかどういう配置になっていたとか、タネあかしをしないのがよい。盲目の人には世界がどうなっているかなんて、答え合わせはないのだ。案内人の女性は盲目の女性。皆さんの見えないという真っ暗な感じとは違うと「思う」けど、何も見えないという点では、さっき経験した見えない状態と同じだと思います。という話をしていて切なくなった。でも、かわいらしくて元気でたのもしい。目の見える人間が一斉に暗闇に入り、あれこれものを言うのは楽しい。けど、世界ではほとんどの人間が見えていて、自分だけ見えていない。その時に好きな事をいい、好きなように歩き、好きなように笑えるか。


 このイベントのテーマはそんな所にはないと思うんだけど、そんなことも考えた。