食べ物とか旅行とか

東京在住 アラサー社会人の備忘録です。

上と外 恩田陸

 この本のせいで、睡眠時間が削られた。というひさびさのヒット。
 


 ストーリーはフィクションで、自分自身にとっては現実味のない展開だけど、つい引き込まれてしまう。この本は長編で、たまたま古本屋で(4)だけ100円で売っていて、「これって(1)から全部つながってる話なのかなあ。でもたまに完結ってこともあるから、試しに買ってみるか」と思って買ったもの。まんまと(1)からの続いたストーリーだった。とりあえず(4)だけ読み終わったが、前後が知りたい!と思ってついつい本屋で定価で買ってしまった。。


 話はそれるが、「何か読みたいな〜」程度の気分で本屋に行ったとき本屋の大量にある文庫本の中から適度に面白そうなものを探すのは非常に難しい。そうすると自然と平置きの本に目がいく訳だが、これはやっぱり本屋の店員の感性が活きてくるところだなーと思う。自分が勧めたい本を展開できるというのは楽しそう。レスポンスがあったらもっと楽しそう。


 この本の面白いところは、読み進めるにつれて描写される舞台の数が増えてゆき、展開が早くなってゆくというところであると思う。舞台の数が増えるほど、その切り替わりは細かくなり、ストーリーも速やかな展開を見せるのだ。タイムラグも比較的短くなってきてまるで24(いいすぎ)。中学生のくせにとても理知的な主人公には嫉妬するが、かなり楽しく読めた。あとがきで、この本を書いたために、舞台に想定した国へ実際に訪れる事ができたという話があっておもしろかった。俺もフィンランドの妄想をブログに書いたら実際に行けたりしないだろうか。。