食べ物とか旅行とか

東京在住 アラサー社会人の備忘録です。

隣の芝が蒼いとは限らない

 今年に入り、悪徳建設会社を退職し家業を手伝っている。まあ当時は地検やら献金やらニュースで色々あったのだけどだんだん落ち着いてきたし時間もできたので、外に出ようと思って前の会社の人とか高校の同級生なんかとたまに会うようにしている。家業は小売業なので入ってくる情報は偏っていて、ともすれば井の中の蛙である。まあ商売には今年の流行は何で、こういうのがウケる!とかいうアンテナは必要だけど、それ以外の社会の動きも知っていなきゃ人間として安っぽいような気もするので。


 で、だ。学生時代アルバイトを変えた時なんかに「あ〜、あの店であのまま働いてりゃ良かった。今になって思えば、いいバイトだったよな〜」とか思う事がよくあった。やっぱり新しい場所に馴染むのはエナジー必要なのだ。どんだけ「最悪だ!」と思って辞めても、それなりにいい所はあったんだなーなんて思っても後の祭りである。


 しかし、今回はあまりそういうのがない。これはもう若くないからあらゆる変化にそれなりに対応できるようになったってことなのか、今の仕事が合っているのか。どっちかしらん。


 このまま大学卒業していきなりアーティストになるより、人生に一度きりの「新入社員」生活は、やっておくべきだろう。脱サラアーティストって方が履歴書にもいいアクセントだ。くらいのモチベーションで始めた就職活動も気づけば4ヶ月くらいあちこち飛び回り、かなりヘトヘトになった上決めたマイナーな会社。地味な会社だから、プロフィールがミーハーな私が新風を吹き込めるのでは。なんてヒーロー気取りだったが、そんなに甘くはなかった。過去をひたすらなぞるつまらない仕事。だけど、そうやってお金は流れているんだなあ。まあそもそもアーティストになろうと思っていた訳ではないけど。確か、広州の大学に留学して今度は中国人になろうとしていた気がする。


 実家の商売も不景気のせいか周辺環境の変化か、全然楽じゃない。けど、楽しい。成功も失敗も、全部自分に跳ね返り、それが商売の存続に関わる重さ。同じ休日出勤でも、張り切りっぷりが違う。そしてなぜか顔が若返った。日本は会社員がとても多い国で、高校→就職もしくは大学→就職という若者が大半であると思う。地方から来た大学の友人に「帰って家業を手伝うか、せめて地元で就職するべきだ。僕らが君の地元で働く理由は無いが、君にはある。」とか言っても「仕事が無い」とかいって聞く耳を持たなかった。仕事が無い訳なかろう。だってそこには人間が生きているのだから。ようは選り好みの問題である。こうして「経営者」が減ってゆく中、比較的大きな企業ばかりに利益が集中し、か弱い個人事業主はますます弱ってゆく。。 でも、ニッポンは中小企業が元気でなくちゃ!せめて自分の会社くらい、ね!