食べ物とか旅行とか

東京在住 アラサー社会人の備忘録です。

韓国旅行4 板門店

 北朝鮮やっぱこわっ!

 という感じ。というか、落ち着いて考えれば北朝鮮そのものが怖いのではなく、対立関係にある国の国境に居るってのがこわいシチュエーションということかな。Joint Security Areaを略してJSAと呼ぶようだが、ツアーで行ってみた。ツアーは結構簡単に申し込めるが、韓国籍の人は参加不可。パスポートチェックがちゃんとある。服装チェックまである。余計なお世話だ!と思うが、穴の空いたジーンズとかタトゥーとか全然だめらしい。ガイドによると、そういう観光客が写った写真を悪用されて、例えば北朝鮮ジーンズに穴が空くくらい貧乏な暮らしをしているとか、タトゥーを入れるような拷問がまかりとおっている、みたいな情報操作に使われたらいけないからという説明をしていた。ほんまかいな。


 ソウルから板門店まではバスで約1.5時間くらいかな。途中で記念碑見たり、昼飯を食べたりで、10時くらいに出発して板門店に到着するのが午後1時頃。昼飯はグループごとにテーブルに分かれ、鍋をぐつぐつやるのだが、一人参加の人は石焼ビビンパが入っているような器に最初っからぐつぐつされて食べられる状態で配膳される。食べるのフライングだし一緒のテーブルになった一人参加の人は全然喋んないし、なんかぜったい変な目で見られてるYO! と思ったけど、まあ外国だしいっか。俺は大陸から観光に来た言葉分からない人だってことにしよう。だって話せないもの!と思い込みながら食事を進めた。(弱い)てかこのツアー、日本人以外はアメリカ人が二人だけだって最初にガイドさん言ってたけど。


 飯を食べる前後に短いトンネルのようなものをくぐるのだが、「あそこに広告が書いてあるトンネルが見えますねー?あれは実はダイナマイトが入っています。北が攻めて来た時はこの道を通ります。そしたらあれを爆発させて道を塞ぎます。そしたら時間稼ぎができるものでございますー。」との解説。まあ確かに変な形してるなという感じではあるけど、がれきを山積みにしたくらいで戦車はとおせんぼされるものなのだろうか、謎。並走する線路にも同様の設備が仕掛けられている。ここはまだ純粋な韓国。誰でも来られる。

(この写真自体はもっと国境に近いところだが、同じような設備が北へ続く道に転々と仕掛けられている)


 自由の橋?だったかな。韓国人が自由に来られる境界線に展望台がある。川を隔てて自由に入れる場所ではなくなり、そこから2km先に国境線、板門店がある。川、凍ってるし。中腰のビッグなアメリカ人、うちまたでかわいらしい。


 双眼鏡にカメラのレンズを当てて撮ったらきれいに写るのかなーと思ったら予想外にくっきり写ってしまったため自粛。


 ここから先はパスポートチェックが二回ある。川を渡ったら写真は禁止。立ち上がるのも禁止。意外だったのが、この自由に入れないエリアにも韓国人は住んでおり、農業をして生計を立てていたこと。危険な地域で検問があるため、22時には出入りができなくなる。カラオケもバーもない。その代わりに納税義務が無い。その年収は800〜1000万円相当だとのこと。日本の農業ってなんであんなに苦しいんだっけ。と思わされる。ただし、そういう特区なのでその中で産まれた人しかそこに住んで仕事を継ぐことができない。唯一の例外は、嫁いでくるお嫁さんだけだとのこと。一度外で生活することを選んだら帰って来られないらしい。


 JSAに入る時には簡単な講義があって、それから国連軍のバスに乗り換える。ちょろっと走ると、そう板門店だ。蒼い家はテレビでも見たことがあるし、映画JSAでも見た。みんな微動だにしない。家の中に入ると写真は自由に撮ってよくて、さらに境界線を越えて北朝鮮側にも行き来できる(家の中だけ)。しかし時間制限が厳しく、韓国側の兵士が「あと何分です。あと何分です。」と繰り返すたびにガイドがいそげいそげ二列に並んで!と急かす。そしてその後は外から北朝鮮側を眺めるが、あちら側は双眼鏡でツアー客の動きを凝視、しているらしい。めずらしく、脇にある物見櫓からぞろぞろと北朝鮮の兵士が出てきてなんかやっていた。そんなところから兵士出てきてあんなにたくさん見られるのはめったにないということで、ガイドも興奮してあちらを撮った方がいいですよ!とか「早く二列に並んで!」みたいな命令口調で言うのでみんな思わずそちらを撮る。とにかくここは緊張状態の場所なのだ。笑ったり指差ししたりしてはだめなのだ。たぶん。


 で、時間が来てバスへ戻る。あとはだいたい帰るだけ。の前にちゃっかりお土産屋さんがあるのでそこで色々買ってしまった。日本円とドルとウォンが使えるマルチショップ。ただし現金のみ。レートもアバウトだが、ここでも円高だった。全然関係ない韓国民芸品とかも売ってるけど、JSAと書いてあるタオルとか、北朝鮮のたばことかワインとかブランデーとかもある。ワインを買ってみたが、なんかにごっている。大丈夫かこれ。


 あとはバスで寝て帰るだけー。とりあえず、無事に帰れてよかったな〜ということに。